お題:「なんで嘘なんかつくんだよ…!」

【陛キル】
「なんで嘘なんかつくんだよ…!」
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お題元さまはこちらです。

またしても素敵なお題。口調自体はいちごちゃんっぽい。
この台詞を陛下っぽく……?と思いつつ類義語辞典さんを頼りました。流石の品揃えってくらい類義語出てきました。
以前呟いていたものに肉付けしただけの下心丸出し文です。急に始まって急に終わります。ですのでやまもおちもいみも無いのです。ごめんよ。

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「何故、そう虚辞を連ねる?」

「……ッ!も、申しわけ……ございません……んぅ、あっ」

玉座から放られる気まぐれな台詞に、只管謝罪を重ねる。そうして言葉を紡ぐ間にも、”後ろ”からの刺激が休まることはない。寧ろ、私が陛下へ言葉を返すのを見計らったかのように、突き上げを激しくされる。陛下から与えられる御言葉を無下にする訳にもいかないので、何かお声掛けいただくたびに私はこの初めての感覚に翻弄されるばかりだ。
このように卑俗な姿を、まさか陛下の御前で晒す事になろうとは。あまりの情けなさ、浅ましさに視界が潤む。
数刻前、謁見の間に喚ばれた所までは普段と変わり無かった筈なのだ。また新たに任務を言い渡されるとばかり考えていたその時の私は、喜びに溢れていた。もしかして、それがいけなかったのか。陛下のお怒りも尤もだ。抑えてはいたつもりだが喜色満面に拝命する駒を見、陛下は何を思ったか。それを考えれば、手足の一本や二本、吹き飛ばされても文句は言えまい。とは思う。否。でも。それでは。これは一体?
ただ黙々と私を犯す聖兵たち。
体の輪郭を這い回る手、手、手。
純白の石床に這いつくばる無様な私の背後から打ち込まれる熱い杭のようなモノ。ソレが何なのかなど、最初から答えは出ている。が、信じたくない。
陛下は始めに私に言いつけた。「何も考えなくとも良い。どういう意味か、おまえならば判るな?」と。
陛下の命とあらば、とは思うし、陛下の言うとおりにすれば何もつらくはない事くらい浅慮な私にも分かる。
だが、星十字騎士団の一員である証──純白の制服に滅却十字──を身に着けたまま、房事に耽るなどあってはならない事だ。私の醜態を陛下の瞳に映す事も、絶対に赦されない行為だ。

「随分と、よさそうだな」

「そのようなこと……どうして有り得ましょうか……ッ」

私の虚勢に、陛下が笑った。ような気がした。
その時だった。
私を犯している兵の一人が言ったのだ。「真面目そうな顔して、案外色狂いなんですね」と。
その一言が伝染ったのか、他の兵たちも口々に下劣な挑発ともとれる言葉を私に投げかけた。
あまりの悔しさ故に目から雫がこぼれ落ち、頬から顎にかけてをなぞっていったのが分かった。

「ヒっ、ぐ……言うな……!!」

「とか何とか言って、離してくれないのはそっちじゃないすか」

嘲笑が広間に響き渡る。その間も暴力的な愛撫とも呼べない何かは続き、着実に私を追い詰めていった。

「あぁ、あ、あ、へいかッ見てはいけません……!み、見ないで……んぁ、あ、なにかクる、見ないで、くださぃ……!ぁ、あああッ─────!!」

びくんと、自分の体が跳ねたのが分かった。胎内に熱い何かが注がれるのと同時に目の前では白い光がパチパチと弾ける。この感覚は一体何なのだろう。くるしくて、いたくて、ぞくぞくと背筋を駆け上るこの感覚は。
混乱している思考を何とか引き戻そうと躍起になっていると、ザシュッという鋭く湿った音が周囲から複数聞こえてきた。…………?
数秒遅れて、私の上にのしかかってくるぬめった何か。ソレが私を玩具にしていた者共の躯だと気付くのにまた数秒を要する。

「興が冷めた。来い、キルゲ」

依然床に這いつくばったままの私を呼ぶと、陛下は霊子で玉座の横に階段を創り上げた。脱ぎかけにされた制服を掻き集めて慌てて立ち上がり、ふらつく身体を叱咤しながら陛下のあとに続く。
血と白濁で塗れた私を一瞥すると、陛下は「先ずは湯浴みだな……」と独りごちるように言った。
そうしてたどり着いた先は、陛下の私室と思われる一室だった。陛下は部屋の中心に置かれた寝台に腰掛けると指を鳴らした。すると目の前に猫足のバスタブが現れ、私は目を瞠った。陛下、意外と俗っぽい……いやいやいや。私の感性に合わせてくださっているのだ。

「ふ……今何を考えた?」

「い、いえ。何も」

意味ありげに笑うと、陛下はそれ以上の追及はせずに言った。

「どうした?そのままの姿で我が褥に上がるつもりか」

「いえ……え?え、お、お戯れを……」

「………………」

有無を言わせぬ眼で見つめられ、私は戸惑いを隠せないままべとべとになってしまった制服を脱ぎ落とし、バスタブへと足を踏み入れた。すると備え付けのシャワーから程よい温度の湯が落ちてくる。身体の表面にこびり付いた白と赤を流していると、寝台に座する陛下の方から「うつくしい」と聞こえてきた気がしたが気のせいだろうとそのまま湯浴みを続けた。
粗方流し終わって、陛下の方を見る。小首を傾げると陛下は言う。

「まだ、残っているだろう?」

「……どうか、お赦しください。コレをお見せするくらいなら、手足をもがれる方がまだ……」

「おまえに与える選択肢はない」

下唇を噛み締めて、自分の愚かさを呪う。

「……では。この聖文字、我が魂とともにお返し致します」

本気でそう述べると、陛下が笑いだした。大笑いの域に達している。腹を抱えるとはこのことか。
呆然としていると、陛下は笑いをおさめて小さく手招いた。逡巡している間にバスタブが消え、濡れそぼった生まれたままの姿で陛下と対峙することになる。
羞恥のあまり全身が茹だったように火照りだす。目には涙すら浮かんだ。

「ふむ。やはり美しいな」

陛下の発言の意味は掴みかねたが、一先ず指示通りに側に寄る。片膝をついて頭を垂れると、「さぁ、つづきといこうか」という言葉が頭上から降ってきた。思わず立場も忘れて反論しようと顔を上げた瞬間、顎を指先でとらえられてしまう。あと数センチで口唇が触れてしまうというところで、陛下が囁く。「身を清めよ」と。
もう私の中に拒否という考えは無かった。ただ陛下の御為に。これが陛下の駒としての役割から逸脱しているのでは、という思いからは目を逸らした。
恐る恐る、自らの手を後ろの窄まりに持っていく。先程まで酷使されていたためか、ひりひりとしだしたソコに指を這わせた。

「んッ……」

「抑えずとも良い」

「は、はぃ……」

散々入り口にされていたソコをやわやわと指先でこねればぞくぞくっと背筋が粟立ったのが分かった。思い切って人差し指を挿し入れる。陛下の視線を一身に浴びて、恥ずかしいはずなのに手は止まらない。

「あぅ……あ、あっ」

手首のスナップを使ってより深いところを指の腹で抉るようにすると、それだけで私の裡の箍が外れていく。羞恥心さえも興奮材料にして昂っていくと、陛下がまたふっと笑った。
見ていてほしくない。こんな場面見せられない。という思いと、ぜんぶぜんぶ見ていてほしい、穢れも恥ずかしいところもぜんぶ。という思いが拮抗する。

「こら。身を清めよと言っただろう」

苦笑気味に陛下が言う。その言葉遣いがまるで小さな子を窘めるようなものだということに気づくことはできなかった。ただ、叱られた事と、命令された事は分かるので、指の動きを変化させた。どろりと、指を伝う感触に身震いする。

「んあ、ごめ、なさい……へいか、ごめんなさい……ッぁんん」

「漸く、素直になったな」

顔を上げれば涙で烟る視界に陛下が映り込む。その表情はぼやけてうかがい知れない。ただ、その声音が柔らかく緩むのを初めて聴いた気がした。

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