クローンのiは実を結ぶのか

ふた×男にご注意。

R18ご注意。

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薄暗い室内に設置された、円筒形の水槽に浮かんだソレらを見上げ、クロウはほぅと息をついた。
「みんな、今日も元気そうだね」
答えるはずもない培養液の中身に声をかけながら、至極愉しげに室内を歩く。培養槽の間を縫うように移動していた彼は、そのうちの一つの前で足を止めた。
「ん?…これって」
培養槽下部に付属しているパネルに触れると、中身のスキャンが始まる。胎児のように身を丸めたソレは透過され、その輪郭を浮き彫りにされた。結果、とある異常が発見されてしまう。
「廃棄かなァ…」
ぼそりと呟いて、クロウはさらにパネルを操作しようとした。が、その動作は途中で止められる。
培養液に浮かんだソレが、薄っすらと目を開いて、クロウに視線を向けたように見えたからだった。
「………まさかね」
口ではそう強がりつつも、クロウは廃棄を中断してそそくさとその場を立ち去らざるを得なかった。

「お父さーん!」
あれから数ヶ月後、異常が見受けられた水槽の中身は、研究所内を元気に走り回っていた。
言ってしまえば失敗作であり、あの時とは言わずともいつかは廃棄されるはずだった「彼女」が、なぜ無事に生まれることができたのか。それは生みの親が所謂ヘタレだったからである。
彼女を生んだDシリーズ計画はまだ試用期間であるため、上の連中に早速失敗作ができてしまった事は報告出来ない。ただでさえ危険過ぎるという反対意見も多いのだ、計画そのものが中止になってしまう可能性も十分にあった。それに何よりも、あの時視線がかち合ってしまった事が大きい。クロウ本人は否定するだろうが、彼は恐れたのだ。まるで「生きたい」と訴えているような、我が子の命を奪うことを。
結局、ある一点を除いてすこぶる健康に生まれてきた娘を、他の娘たちのように送り出すこともできずにそばに置いている。初めてばかりの子育てに戸惑うことも多々あったが、なんだかんだいってクロウは今の生活に満足しているのだった。
中庭の散策から帰ってくるなり、娘は生みの親に背後から抱きついた。人外の力でぎゅうぎゅうと抱きしめられ、クロウは潰れたような声を出した。
「ぐぇっ!…おかえり、デズ」
それでも微笑み出迎える。
と、同時にクロウの笑顔が引き攣った。尻のあたりに、ナニかが、当たっている。
クロウはデズの腕をやんわりとほどき、彼女に向き直って訊ねた。
「どうかしたのかい?」
「お父さん…デズの体、この頃おかしいんです。お父さんのこと考えると、ココが、むずむずするというか…。お外で遊べば忘れられると思ったんですけど…寂しくて余計にひどくなってしまって…どうすればいいですか…?」
内腿を擦り合わせながら、祈るように胸前で手を握り囁いた娘の告白を聞いて、クロウは「遂にきちゃったかァ、この時が」と頭を抱えたくなった。
デズが持って生まれた異常を忘れていたわけでは無かった。だが、考えたくなかったというのも事実だ。やっとのことで手に入れた愛しの姫君に生き写しの娘。その娘にまさか、ペニスが生えているなんて。
それでも覚悟は一応してはいたのだ。ギア故に通常より早くやって来るであろう第二次性徴について、どう教えてやるのが適切か、考えてもいた。
そういったどうでも良さげな葛藤はさておき、彼女の口から聞き捨てならない言葉を聞いた気がして、クロウは遠くにやっていた意識を戻ってこさせた。
「…え? 僕のことを考えるとむずむずしちゃうの…?」
おっかなびっくり、聞き間違いであってくれと願いながら訊ねれば、デズはこくりと頷いた。
「はい。お父さんに抱きついたり、お父さんの声を聞いたりすると、胸が痛くなって…その…おちんちんが、むずむずするんです…もしかしてデズは病気なんでしょうか」
不安げな娘の表情を見て、クロウはハッとした。
あの時デズを廃棄しなかった自分の甘さ、弱さが、最愛の娘である彼女を苦しめている。その事実をまざまざと突きつけられて、身の置きどころがない心地がした。
「…だ、大丈夫だよ、デズ。それは、男の子なら誰でも経験することだから」
デズの頭を撫でてやりながらぎこちなく微笑う。しかし、その言葉はデズの不安を大きくしただけだった。
「おとこのこ…?デズはおんなのこですよ。それなのにどうして…。こわいです、お父さん」
「えーと…デズは女の子だけど、男の子な部分も持ってるんだ。……ごめんね」
「…? どうしてお父さんが謝るんですか?」
「…いや、何でもないよ。それより、苦しくないかい?」
「苦しい、です…。でも病気じゃないなら、きっと治まるんですよね…?」
今にも泣き出してしまいそうな潤んだ瞳で見つめられて、クロウは瞑目して一つ息をついた。
どうにかして、娘を安心させてあげたい。とうの昔に捨て去ったはずの良心が、クロウを突き動かした。腹を括る。
「うん、治すことは難しくないよ。でもデズは初めてで方法も分からないだろうから、僕が教えてあげる」
「ありがとうございます、お父さん!」
ぱぁっと華が咲くように笑った娘を見て、クロウも嬉しくなった。
この子の為なら、何だってしてあげられそうだとも思った。
デズをソファに座らせ、そのすぐ隣に腰掛けると、彼女の頭を撫でる。
「まず、デズに今起きていることを説明しておかなくちゃね。いつもの、その、おちんちんの様子は今とは違うよね?」
頭を撫でられてうっとりしていた表情を一変させて、神妙な顔つきでデズは答えた。
「はい、もっと柔らかくて、小さいです」
「おちんちんが今のデズみたいに大きく立ち上がってしまうことを、勃起というんだよ。陰茎内部の海綿体に血液が集中することで起こるんだけど…まァこの辺はいいか。とにかく、この勃起という生理現象は、デズの体が赤ちゃんを作るための準備ができたよーっていう証なんだ」
「赤ちゃん、ですか?」
小難しい話に曇りかけていたデズの表情が明るくなる。
「そう、異性と性交を行って、運良く着床できれば赤ちゃんができる。それには主に、膣内で射精をする必要があるんだけどね…」
そう言うと、クロウはデズの下腹にそっと手を当てた。
「膣圧に負けてしまわないように、おちんちんは硬くなる必要がある。それが今のデズに起こっている変化の正体ってわけ。で、どうすれば治るか、だよね。それには…」
デズの下腹に置いていた手を更に下に滑らせて、幹の部分に触れるか触れないか程の弱さで触れる。すると、デズの口から悲鳴があがった。
「ひゃんっ!?」
「あ、ごめん、デズ!痛かった?」
「い、いえ。ちょっと、びっくりしただけです」
「急ぎ過ぎちゃったね。えと、触っても、いいかな?怖いなら、別の方法を考えるけど」
クロウはデズの顔を覗き込んでお伺いを立てた。それに対しデズは、真摯に答える。
「お父さんがしてくれることなら、怖くないです。…触って、くださぃ」
彼女の返答に、クロウはくらりとのぼせそうになるのを感じた。その感覚の正体には気づかないふりをして、再びデズの中心に手を伸ばす。
「こうやってね、手で痛くない程度に握って上下に擦るんだ。どう、気持ちいい?」
「あっ!あ、んん、 お父さんの手ぇ、すべすべで…ッきもちいいですぅ!」
「よかった。じゃあほら、自分の手でもやってみて」
クロウがぱっとデズ自身から手を離すと、彼女はクロウに懇願した。
「や、やめないで、くださぃ…!お父さんが、いいですぅ」
「…今日のデズは甘えたさんだねェ」
やれやれと肩をすくめるふりをして、クロウはデズの中心をやさしく握る。内心は娘におねだりされて可愛いやら愛おしいやらで嬉しくて仕方がないのを隠しきれていなかった。
「ここをぐりぐりしてみたり、こっちをふにふにしてみたりすると飽きが来なくていいかも」
「ひゃぁあ、そこ、ぐりぐりだめですぅ、ふゃ…っそこもぉ、きもちよしゅぎてぇ、あっあっんんぁ」
「お、そろそろかな」
自らの手の中で着実に育っていくソコを、クロウはあえて容赦なく擦りあげる。デズの足先がぴんと突っ張った。
「あ、ぁあっ、あんっっ!?でちゃ、でちゃいますぅ、なにかぁ、ぁ、ああ、ーーーーーーっ!!?」
勢いよく溢れ出した大量の白濁を、クロウは手のひらで受け止めた。
くすりと笑むと、息も絶え絶えのデズのこめかみにキスを落とす。
「よくできましたァ」
そしてそそくさと立ち上がろうとしたクロウの手を、デズが掴んでソファ上に引きずり込んだ。ぼふんと倒れ込んだクロウを全身で力一杯抱きしめるデズ。
「…ありがとう、ございました。お父さん、だいすきです…!」
クロウの胸元に顔を埋めていたデズが、ふと、顔を上げた。何かに気づいた表情で。クロウは最後のあがきとばかりに、デズの腕の中から逃れようと身を捻った。だが、その一瞬の隙をついて前掛けとコートをめくり上げられてしまう。デズの表情がそれはそれは嬉しそうに綻び、そのまま彼女はクロウのボトムスをずり下げた。
「お父さんのも、私と同じになってる…可愛い…!」
ふるりと兆している中心を、優しく愛おしげに撫でられ、クロウは泣きたくなった。一度も人前に晒したことのないところを、よりによって娘にまじまじと見つめられるなんて。何より、娘の精通を手伝ったことで興奮してしまうなんて。大き過ぎる衝撃に固まっていると、何を思ったのか、デズはぱくりとクロウの中心を咥えた。そして、子供が飴を舐めるように、ぺろぺろと舐めはじめる。
「ひッ!?あ、ぁああ…ッ駄目だ、デズ…!」
普段から全くと言っていいほど使わないそこを急に刺激されて、情けない声が漏れる。
デズが。『ディズィー』が。永遠の想い人の姿をした娘が、自分の雄を嬉しそうに口に含んでいる。その事実だけで達してしまいそうになる。これ以上このショッキングな光景を見ていられなくて、クロウはきつく目を閉じた。
その間にも愛撫は続く。先端の溝をちろちろと舐め、時にははぷりと咥えて口内で転がし、やわらかな袋を宝物にでも触れるように優しく揉む。その度にクロウの足先は宙を蹴り、力の入らない手でデズの髪を掻き乱した。
「ひもひぃえふか…?」
「ひゃッしゃべっちゃ…駄目ぇ! ぅああ、ン!ぁ…ィく、イっちゃう…!駄目、デズ…!!や、やだやだ……! あぁあ、あッ!」
「んんっ……ん…ぷは」
口内に吐き出された精液を、デズは喉を鳴らして飲み下した。その一部始終を聴いていたクロウは、凄まじいショックを受けた。肩で息をしながら、ほうほうのていで訊ねる。
「………の、飲んだの?」
「はい!ちょっと苦いけど、お父さんの味だなぁって感じがします」
娘といっても過言ではない存在になんてことを…!!とクロウは両手で顔を覆った。自分が倫理的に狂っていることくらいは自覚しているが、こういう方面ではまともだと思っていた。それなのに。
茫然自失に陥っていたその時。
「ここも、おいしそうです…!」
ぽそりと甘やかな呟きが聞こえた。次の瞬間、何かが後孔をねろりと這った感覚がして、クロウは総毛立った。思わず顔を覆う手を退かして固く閉ざしていた瞼を開くと、信じられない光景が飛び込んでくる。ご自慢の明晰な頭脳を以てしても、数秒間は何が起こっているのか理解できなかった。
「い、いけないッ……そんなところ!」
自らの脚の間にある娘の頭に手を置く。すると、娘はきょとんという顔でクロウを上目遣いに見た。
「どうしてですか?こんなにおいしいのに」
そうしてまた股座に顔をうずめる娘を、クロウはどうする事もできない。力では到底勝てないのもあるが、先程から立て続けに与えられる刺激によって、全く力が入らなくなってしまっているのだ。
なけなしの理性が、このままでは駄目だと警鐘を鳴らしている。だが、もうどうにでもなれと思う自分の声のほうが大きかった。絶対に手に入らないはずの彼女が、クローンとは言え、自分と関係を持とうとしている。それでいいじゃないか、と思ってしまった。ちろちろと、娘の小さな舌が入り口を舐め続けている。クロウの心の中で、ふつりと何かが切れる音がした。
「デズ… 気持ちいぃ…もっと」
そう言うと、自ら寝返りを打ち、コートをたくし上げ腰だけ持ち上げる姿勢をとった。申し訳程度に残った正常な感覚が、戻るなら今しかないと言っている。積極的なクロウを見て、デズが引いてくれればと。しかし、クロウの一縷の望みは娘の言葉によって叩き潰された。
「お父さん、可愛いです!もっとたくさん舐めてもいいですか?」
もう後戻りは出来ない。倒錯した快感に蕩けた脳髄が、歓喜に打ち震える。必死に否定しても、頭の何処かではこの時を待っていたのだと嗤う自分が居た。
「いいよ、もっと奥までかき回して…ッ」
「ふふっ、分かりました」
デズは嬉しそうに舌を伸ばした。唾液をしっかりと含ませて、ちゅぷちゅぷと入り口付近を出入りする感触に身震いしていると、解れてきたのか更に奥まで侵入してくる。
「ひぅぅ…ッきもち、ぃよ、デズッぁん 」
ぬるんっとデズの舌が限界まで伸ばされる。くにゅくにゅとナカを舐められ、入り口を吸われ、いつの間にか指まで追加されてナカを指の腹で抉られ、擬似的な排泄感にクロウの背中は粟立つ。
だが、何かが足りないような感覚が拭えなかった。
「デズぅもっと、もっと奥がいぃッデズのおっきいのがほしいよぉ」
「え、おっきいのって、コレですか…?」
恥も外聞もない開け透けなクロウのお強請りに、デズは少しだけ当惑した様子で訊ねた。
「そう、デズのおちんちんが、ほしいんだ」
「っお父さんが、そう言うなら…」
熱く重量感のあるデズのソレが、クロウの後孔にぴとりとあてがわれる。息をついて受け入れる準備をしようとした瞬間、ソレが押し入ってきたため、あまりの事にクロウはくぐもった悲鳴をあげた。
「ッぐぅ…!!ッあ、は、ぁぁ…!」
「ふぁあ、すごい…!お父さんの中、狭くて熱くて、とろとろです!腰、止まらない…!」
目の前の慣れない快感に夢中なのか、デズはクロウを気遣うことができていない。だが、それでもよかった。あの『彼女』が、自分を犯している。その幻想に酔い痴れてクロウの意識は混濁し、苦痛すら快楽として享受しているからだった。
ぱちゅぱちゅと肉同士がぶつかる音が響くのをどこか遠くに聞きながら、クロウは脳裏に想い人の姿を描いていた。
「ディズィー…!」
喘ぐはざまで無意識に名を呼ぶ。本当に無意識で、クロウ本人は呼んだことにさえ気づけていなかった。だが、デズの耳にはしっかりと届いていた。ぴたりと律動を止める。
「ディズィーって、誰ですか」
底冷えするような静かな声だった。デズの尾がしゅるりとクロウの自身に絡みつき、きつく締め上げた。
「ぁ゛ッ!」
そのまま抜き差しを再開するデズに、クロウはいやいやと首を横に振った。それをみて、デズは動きをより激しくする。
「でず、でずぅ…ごめんなさぃ…ぃッ!や、くるしぃ…でず…これ、とってぇ!ごめ、なしゃぃい…!」
「だめです、許しません。うわき者で悪い子なお父さんにはお仕置きが必要です」
デズは気づいていた。ディズィーとは何者なのか。それは、自分たちの母胎となったあの被験体に違いないと。夜ごとに父親がディズィーの浮かぶ水槽を見上げていることも。その時の表情は絶対にデズ自身には見せてくれないものであることも。ディズィーが父親の想いに応えることはあり得ないのだということも。全て知っていた。
だからこそ許せなかった。ディズィーに生き写しの自分がこれだけ恋い焦がれているにもかかわらず、未だこちらを見ようとしない父親が。こんなにも父親に想われていながら、決して応えることのないディズィーが。本当に罰を与えたいのは、大好きな父親ではなく、彼の想い人だ。
それでも、その感情を持て余しては目前の父親にもどかしさをぶつけるしかないのだった。
「お父さんは…デズのことなんて、どうでもいいんでしょう…!」
「や、ちがぅ…ぼくは…ぁッ」
やつあたりだという自覚はある。だが、どうしようもないのだ。まだ幼いデズには嫉妬という感情が理解できなかった。ただ愛する父親が自分を見てくれないこと、そして自分を通して他の誰かを見ていることを感じ取り、悲しみに暮れているだけだ。
そう、これはやつあたりなのだ。その証拠に、クロウの様子など気にしない素振りでソファの位置がずれてしまうほど強く突き上げる。にも関わらず、健気に自分の激情を受け止めている父親が愛しくて堪らなくなる。それが自分にディズィーを重ねているからなのだとしてもだ。
これまでのクロウとの日々を思い返す。慣れないことばかりであろうデズの世話を焼く父親が見ていたのは、デズだけだったことに気づく。オリジナルが何だ、自分が父を愛し父に愛されているという事実は揺らがない。自分たちは所謂両想いなのだ。父娘という絆で結ばれているのだ。そこにオリジナルが入り込む隙は無い、はずだ。
父親の細すぎる体躯を抱き上げてくるりと反転させる。間近に顔を寄せると、その涙の跡を舐め上げた。彼の昏い色の瞳を覗き込み、その中にデズ自身が映っていることを確認して安堵すると同時に、父親を独り占めしているのは自分なのだという事実に背筋をぞくぞくと快感が駆け上がる。彼がぱちくりと瞬きをすれば、睫毛の先で雫が弾け、その可愛らしさに思わずきつく抱き締めた。
「お仕置きなのに気持ちよくなっちゃうなんて、お父さんってばヘンタイさんだったんですね」
クロウの中心を戒めていたしなやかな尾をしゅるりと緩めて、扱くような動きにシフトすると、彼の腰が跳ねた。
「そぅ、ぼくはぁ…むすめ、に、おかされてかんじちゃう…いんらんなんだ…ぁんんッごめん、なさぃ」
依然激しく腰を打ちつけながらも、力の加減やスタミナの違いを考慮していくと、クロウの声は甘くとろけたものになっていった。
「デズとの赤ちゃん生んでくれたら、許してあげます」
クロウの耳元でそう囁やけば、彼はひくりと肩をすくめた。ここも好きなのかと気づいたデズは、クロウの耳を唇で食んだ。
「ぁ、むりぃ、むぃだからぁ!ぼくぅ、あかちゃんうめないよぉ…!」
「お父さんなら、できますよ!だってデズたちを生みだしてくれたんですから」
叶わぬ夢であることはなんとなく承知の上だ。だが、この人ならもしかして…と思わせてくれる可能性をクロウの中に見出してもいる。
奥に向けて押し入れると、尾に巻かれたクロウの中心がびくびくと震えた。
「あ゛ぁあああッそこぉ、駄目ぇッ!!、ーーーーーッア゛ぁ!!」
「よかったぁ。お父さん、とっても気持ち良さそうです。もっと、気持ちよくなりましょうね!」
立て続けに奥を狙うと、尾で扱いていたソコから白濁が溢れ出し、まだかろうじて纏っていた彼の黒衣を白く汚した。感じてくれたことが嬉しくて、デズは更に律動を速める。
「ぁ゛ッ!?まだイってぅ、からぁ!うごか、ないれぇ、えッ!!あ、ぁあ、あんんぁッ」
「ふふふ、イっちゃってるお父さん可愛い!ナカも、キュンキュンっていってます」
「も、やらぁッ駄目だってぇ、しんじゃう…ぅあ、しんじゃぅよぉ…ッ!」
クロウの声にいよいよ泣きが入ってきた頃、デズも限界を感じた。出してしまえばこの時間が終わってしまう気がして、もっと堪能していたかったのだが、これ以上は我慢できそうになかった。
「お父さん、デズも…もう!」
「ぅん、きてぇ…!なかにいっぱい、デズのぉ!」
クロウの細過ぎる脚がデズの腰に絡められる。彼の一挙手一投足がたまらなくデズの下半身を刺激する。
一度限界まで引き抜いて、一息に最奥まで押し入れるとクロウの体ががくがくと震えた。
「ーーーーッあ゛あぁあ、ああ!!」
「ぁあ、お父さん、いく、いっちゃいますぅう…っんん!」
彼の絶頂とともに蠕動するナカに導かれ、デズは熱い飛沫を胎内に吐き出した。そのまま、ぐいぐいと腰を押し付け、一滴たりとも零さぬように奥に出し切る。
意識を手放したクロウの体の上にとさりと倒れ込むと、デズは彼の耳元で囁いた。
「お父さん…デズを生んでくれて、あの時見捨てないでくれて、ありがとうございます。大好きです」
その言葉がクロウに届くことはなかったが、デズはそれでも満足だった。

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